~ 愛知・伊世賀美隧道(旧伊勢神トンネル) ~
図:トンネルの場所

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友人達と名古屋へ小旅行をした帰り、道程をどうするか決めるときにこのトンネルの存在を思い出し、リクエスト。結果、めでたくこのトンネルに寄り道することができました。友人達に感謝。

伊勢神(いせがみ)の名は、かつて近辺に住む人々が、ここの峠から伊勢を拝んだという「伊勢おがみ峠」が訛ってできたのだそうです。

2000-03-30 : 訪問
2000-05-14 : 掲載
2021-09-21 : リニューアルに伴い加筆修正
写真:トンネル西(足助)側坑口。クリックすると大きな画像が出ます。
写真:車との対比。トンネルの断面積は割と小さい
車との対比。断面積は割と小さい。

西(足助)側の坑口です。

非常に重厚な造りをした石積みの構造物に、圧迫感ともいえるほどの強烈な存在感を覚えます。開通は明治30年=西暦1897年。この隧道の建設がどれだけ大きな事業であったかを推し量ることができます。

高さ制限2.2mは自動車にとってかなりきつめの狭さです。明治時代の建設なので馬車道規格というやつでしょうか。

このトンネルは地域では有名な心霊スポットだそうですが、直線で出口が見えるのと、晴れた昼間であったためか、怖さは感じませんでした。

写真:トンネル西側扁額。クリックすると大きな画像が開きます。

扁額には「伊世賀美」と書かれています。古くはこのような漢字表記だったのでしょうか。

左端の縦書きはよく見えませんでしたが、先頭に「正四位」と刻まれていることから「伊世賀美」を書した人物の情報が記されているのではないかと推測します。

下には「明治十十九年七月起工十十十年十一月竣工」と書いてあります。起工(明治29年7月)と竣工(同30年11月)の時期が記載されているようです。

写真:トンネル内部1
写真:トンネル内部2

さっそく中へ。

トンネル両端には結構大きな水たまりがあります。照明設備が天井に取り付けられていますが使われていないらしく、昼でも坑口の光以外は暗くてほとんど見えません。

途中で壁の色が変わっているような気がしたので撮影してみると、トンネルの壁の厚みが変化して、途中で狭くなったり広くなったりしていることが分かりました。写真は壁が厚くなりトンネルが狭くなるところの境目です。
このような境目がトンネル内に数カ所あり、中には衝突防止のためか、反射板を取り付けている場所もありました。
最初からこのような形だったのか、それとも後からの補修でこのような形になったのかは知りませんが、今まで見てきたトンネルの中では初めて見た形状でした。

写真:謎の赤い光?

先を歩いていた友人が不審な赤い光を発見!
もしかして、心霊スポット関係のページで紹介されていた写真にも写った謎の光でしょうか!?

勇気ある友人が近づいて明かりを当ててみると…

写真:謎の赤い光?の正体

なんと、トンネルの壁に掛かっているケーブルに繋がった、ゆうせんの機器?から赤い光が漏れていたのでした。(笑)

それはともかく、普通に手が届く位置に掛かっているケーブルが、現在もちゃんと現役であることのほうが驚きでした。いったい何の目的に使われているのでしょうか。

写真:トンネル東側坑口。クリックすると大きな画像が開きます。

そしてこちらが東(稲武)側坑口。造りは西側とほとんど同じようですが、日陰になる時間が長いのか、苔や草に覆われていてだいぶ雰囲気が違っていました。

伊世賀美隧道・その他の写真

各画像をクリックするとフルサイズが表示されます。

写真:伊世賀美その他1:天井の照明設備。訪問時は消灯していました。
天井の照明設備。まだ使えそうな状態なので、夜は点灯するのでしょうか?
写真:伊世賀美その他2:西側の扁額。東側と同じ内容のようです。
西側の扁額。東側と同じ内容のようです。
写真:伊世賀美その他3:フラッシュライトなしで撮影するとご覧の暗さ。
中央に写っているのは隧道を走り去ろうとしている自動車です。他の写真はフラッシュライトを使用しているので壁などが見えますが、実際はこのくらい暗くて足元もよく見えませんでした。

追記 : 2021年現在、現伊勢神トンネルを置き換える、新しいトンネルを含むバイパスの建設が進められているそうです。完成すれば伊世賀美隧道は旧旧伊勢神トンネルとなりつつも維持されそうな気がしますが、現トンネルがどうなるのか気になるところです。